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ふせん仕訳ゲームを体験・松山商業高校 簿記部との交流日記 NEW
2026年10月26日(月) 08時00分
カテゴリ: 訪問記 
事務局長交流日記
愛媛県立松山商業高等学校の簿記部を訪ねました。この交流会の目的は2つでした。ひとつは、筆者・田中が考案した「ふせん仕訳ゲーム」を簿記部のみなさんに体験していただくこと。もうひとつは、企業の財務諸表と自治体の財務諸表は何がちがうのかをお話しすることでした。
この日のこと
訪問日2026年9月18日(金)
訪問先松山商業高等学校 簿記部
参加者松山商業高等学校 簿記部の生徒 25人
訪問者・筆者財ラボ事務局長 田中 弘樹

高校紹介

松山商業高等学校は1901年の創立で校訓は士魂商才。毎年12月の文化祭「商神祭(しょうしんさい)」では、生徒が県内の企業と交渉して仕入れた特産品や食料品を売る「松商デパート」が開かれ、2,000名を超える来客でにぎわいます。仕入れから販売まで生徒が手掛ける商業高校らしい取り組みです。

簿記部は、全国高等学校簿記競技大会や日商簿記甲子園での入賞、日商簿記1級と2級の合格を目標に毎日練習を重ねています。中学生とその保護者の方を対象にした松商簿記塾もこの部が開いています。愛媛県が地域に根ざした部活動を選んで支援する「魅Can部」にも指定されています。

概要

今回の交流では、日々簿記を学ぶ生徒のみなさんと、企業と自治体で財務諸表の見方がどうちがうのかを一緒に考えました。日々の練習量も仕訳の正確さも、こちらの及ぶところではありません。ただ、今回は、簿記そのものではなく、企業と自治体で財政情報の見方がどうちがうのか、そこをみなさんにも知ってもらう機会をいただきました。

まず、身のまわりの数字から入りました。水道水を1杯飲むと、いくらかかっているのか。

図1 水道水1杯は0.05円。ペットボトル1本の1900分の1にあたる

そのうえで、次の順で取り上げました。

① 施設や道路の老朽化  道路の総延長や老朽化した水道管は地球何周分になるのか
② 企業会計と公会計のちがい  資産の大きさ、損益計算は大きな赤字になること、その赤字をカバーするのは税金であること
③ 税金の流れ方  国税と地方税、普通税と目的税、集めたお金がどこへ配られるのか
④ 自治体の財務4表(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資産収支計算書)は、日々の取り引きからどうつくられているのか
⑤ 公共施設更新の問題  古くなった公共施設をどう建て替えるのか、その備えとなる預貯金(基金)が不足している自治体が多いこと
図2 水道水1杯の値段は?

民間は利益を出すことが目的、自治体は利益を目的にしない。民間は帳簿価額に目が向き、自治体は減価償却累計額に目が向く。同じ複式簿記を使いながら見る場所が変わることを、自治体財務諸表を見ながら一緒に確かめました。

そのうえで、この日の本題であるふせん仕訳ゲームです。講師が考案し、自治体の職員研修や、講師が主催するイベントで住民の方にも体験していただいてきました。高校の簿記部との交流は、講師が公務員だった時代にプライベート活動として一度あり、今回で2回目です。財ラボとしては、初めての試みでした。

土地の取得、建物の建設、光熱水費の支払い、使用料の収入、税収の5つを、ふせんに書いて財務4表のどこへ貼るか。ふせんの記載と貼る速さは、さすがでした。

図3 ふせんに仕訳を書いて、貼りかえるだけで財務4表ができちゃった

簿記部のみなさんは、松商簿記塾で地元の中学生とその保護者の方にも簿記の話を伝えられていて、自ら教える側にも立っています。そして、2026年のテーマのひとつに公会計も取り上げて頂きましたので、今回の交流がその一助になれば幸いです。

参加者の声

後日、簿記部のみなさんから感想をいただきました。そのうちの一部を紹介させて頂きます。

【2年生】

仕訳を勘定科目ごとに付箋に一つずつ書き、手で動かすことによって、勘定科目の動きがより頭に入ってきやすかった。
普段扱っている簿記の内容と異なり、今までに見たことのない勘定科目や表が出てきたことが印象的でした。
私たちが普段触れている会計と公会計の共通点・相違点について知ることができた。公会計の考え方や財務諸表の作成目的、そもそもの活動の違いなどを知ることもでき、そこからなぜ一般企業との違いが生まれるのかという部分につなげることができたのが面白かった。
私たちが学んでいる企業の簿記の収入は売上が収益になりますが、行政の公会計では税金が収入で純資産に入ってくるなど自治体特有の考えで驚いた。地域のための行政活動なので行政コスト計算書は赤字だと聞き収入の面ですごい違いがあるのだなと驚愕しました。
このゲームを活かして、実際に中学生の人たちに付箋ゲームを教えてみたり、家族の人たちにもこのようなゲームを紹介してみようと思います。
この水道料金には水道管の修繕費も入っているのに対し、水道水自体が高価なものになってきている。年々修繕に充てられるお金を集められていないのだ。だから私は水道料金を値上げすべきだと思った。
今回は時間が短かったこともあり、簡単な仕訳が多かったように思うので、より難易度の高い実際の公会計に基づいた仕訳も目にしてみたいなと思いました。

【1年生】

ふせんを使うことでさらにわかりやすかったです。ゲームなんかではなくしっかり勉強になりました。「ゲーム」とつけることで、簿記初心者もスムーズに理解できるのではないかと考えが深まりました。
自治体の財政についてゲームで楽しく、わかりやすく学ぶことができました。ふせんで動かしながら計算書を作ることで、それぞれの関係性についてより深くわかりました。
簿記に初めて触れる人にもすごくわかりやすくて楽しいゲームだと思いました。私たちも基本を再確認することができました。
財ラボ事務局長 田中 弘樹
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